台湾公認中国語試験 TOCFLとは?難易度は?参考本や過去問について
繁体字で中国語を勉強しているけど、繁体語で中国語力を試す場所がない!と悩んでいませんか?
実は、繁体字の中国語試験があります。それは、TOCFL(華語文能力測驗)と言う試験です。
私は、台湾で中国語の勉強をしながら、HSKのような簡体字の中国語試験ではなく、繁体字で中国語の試験を受けたいと考えていました。そして、繁体字で記載されているTOCFLという試験を受けることにしました。
この記事では、TOCFLとはどのようなものか、参考書や過去問についてお教えします!
TOCFLとは?
簡単に説明すると、中国語(台湾華語)を母国語としない人向けの、繁体語を使用している台湾の公式中国語能力試験になります。
レベルは、入門級(level1)から精通級(level6)までのレベルが設定されています。
試験内容は、様々な日常生活の場面を想定して、題材は実生活に近いよう、多くの問題で広告やラジオ、日常会話などを元に出題されています。
2003年12月から試験が正式に実施され、今では60か国以上の中国語学習者がTOCFLを受験しています。
主に、留学生向けの台湾奨学金や台湾の大学入試や就職活動をする際の中国語能力証明などの目的で活用されています。
※現在、台湾国内の多くの専門学校、大学や大学院が本検定試験を入学申請条件、あるいは中国語能力の参考基準としており、多くの企業、法人も台湾駐在決定の参考基準としています。
HSKとTOCFLは何が違う??
HSKや中国検定と大きく違う点は、簡体語か繁体語の違いがあります。
ですが、HSKでは、繁体字の使用は許可されてます。(設問毎に字体は統一が必要のようです。また問題は、すべて簡体字になります。)
またHSKは中国政府公認の資格、TOCFLは台湾公式の資格という違いもありますね。
後は、試験内容も異なります。HSKは選択問題だけではなく、作文の問題もあります。
日本や中国本土で学んだ場合、多くの方が簡体字で学ぶ方が多いため、HSKを取られる方が比較的多いですが、台湾や香港などで留学や学ばれた方は繁体字を使うため、TOCFLの受験する方が多いです。
※HSKかTOCFLどちらがいいなどはあまりないので、ご自身が学習した簡体字か繁体字かなどで判断して受験してみてくださいね~!
TOCFLの受験レベル
受験レベルは、大きく分けてBand A(入門基本級) , Band B(進階高階級) , Band C(流利精通級)の3つにクラス分けされています。
そして、各クラスの試験の成績で、更に2つのレベルに分けられます。
全体のレベルとしては、レベル1~6段になります。
レベル判定基準
TOCFLは、各受験レベル(Band A,B,C)の、取得スコアにより、聴解と読解の2つの判定レベルのいずれか、もしくは不合格の判定がされます。
TOCFLの試験のレベル判定は、取得スコアによって異なることがあります!
例えば、Band B(進階、高階級)を受験した場合、聴解は70点、そして読解は50点だった場合。
(上の表を参考してみてくださいね。)
判定レベルは、聴解は高階級へ合格。 読解は進階級へ合格。という事になります。
受験申込はBand別に‼
先ほども何度か言ってる通り、3つのBandに分かれているため、必ず自分が受験したいBandを選択して、申し込むようにしてくださいね!
Band A(入門基本級)
Band Aは、入門級(レベル1)と基本級(レベル2)の初級の試験です。
基本文法および500~1000単語の基本語彙を備える人向けの試験内容になります。
試験内容
まず試験は、聴解問題数が25問、読解問題数も25問の合計50問になります。
- 聴解の問題内容は、図の説明、問答理解、対話理解の選択問題になります。
- 読解の問題内容は、単文理解、図の説明、洗濯穴埋め、段落の完成と読解理解。
(TOCFLの公式サイトには、過去問などもあるので、ぜひ活用してみてください!)
Band B(進階高階級)
Band B(進階高階級)は、進階級(レベル3)高階級(レベル4)の中級の試験になります。
2000~5000語の語彙を学習した人向けの、試験内容になっております。
試験内容
試験は、聴解問題数が50問、読解問題数も50問の合計100問になります。
- 聴解の問題内容は、対話と段落の2つのパートに分かれていて、問題数は50問の選択問題になります。
- 読解の問題内容は、選択穴埋め、文章理解の2つのパートに分かれており、すべて選択問題になります。
(TOCFLの公式サイトには、過去問などもあるので、ぜひ活用してみてください!)
Band C(流利精通級)
Band C(流利精通級)は、流利級(レベル5)と精通級(レベル6)の、高級の試験です。
8000語の語彙を備える人に向けた、試験内容になってます。
試験内容
試験は、聴解問題数が50問、読解問題数も50問の合計100問になります。
- 聴解の試験内容は、対話と段落の2つのパートに分かれていて、問題数は50問の選択問題になります。
- 読解の問題内容は、選択穴埋め、文章理解の2つのパートに分かれており、すべて選択問題になります。
(TOCFLの公式サイトには、過去問などもあるので、ぜひ活用してみてください!)
TOCFLの各中国能力試験の相関表
各中国語能力試験とTOCFLとのレベルの相関表がTOCFLの公式HPに公開されています。
私は半年間、台湾留学を経験しました。
そして帰国後にBand Bの読解、リスニングともに進階級を取得しました。
この表を見てみて「自分はHSKの5級か6級を取得できる能力なんだ!」と少し喜んだのですが、冷静に自分の中国語レベルを見たときに、HSKの5,6級とは思えませんでした。
台湾留学時代の多くの友人もTOCFLを受けているので、「HSK5,6級に進階級に同等のレベル」かどうか尋ねたところ、「HSK4,5級のレベルだと思う」という返答が多かったです。
私自身、上の相関表は少し違う感じがしましたね。
HPにも書いているように相関表は目安として掲載していると書いていたので、参考程度までにするのがいいと思います。
TOCFL参考書は非常に少ない!
TOCFLの参考書はとても少ないのが現状です。探すのも難しいです。その中でも、私が実際に使ってみて良かった、TOCFLに対応している参考書について教えます。
台湾華語単語 つぎへの1400
TOCFL 中級レベルのBand B1の単語と文法表現が一緒に学べます。そして、台湾への留学や移住を検討している方におすすめの1冊です!
台湾華語単語 はじめの1000
実施委員会公認であり、TOCFLの初級レベルのBand A レベルの単語を台湾要素たっぷりの例文で学べます。準備級・入門級・基礎級の単語をレベル別に学べ、留学準備中の方におすすめの1冊です!
當代中文課程課本1・2
TOCFLの勉強に一番使ったのが、この當代中文課程課本です!TOCFLを共同研究開発した台湾師範大学教学センターでも実際に使われていた教材です。
私も師範大学教学センターに留学していたときも、このテキストで学んでいました。この教材で使う文法や単語などは、TOCFLにとても反映されていると思いました。私は、當代中文課程2までを学んで、進階級(B1)合格しました。
こちらは、https://store.taiwan-ryugaku.com/でのご購入がおすすめです。
この教科書は、説明が英語表記ですが、上のサイトで購入したら、日本語訳も貰えるそうです!私は英語を翻訳アプリで翻訳しながら当時使ってました...。
以前はアマゾンにもあったのですが、當代中文課程課本1は第1版販売終了のため入荷がなく、売り切れてしまったら、リニューアルした當代中文課程課本をご購入ください。
TOCFL過去問題
過去問題も、非常に数が少ないです。これも一部販売していますが、購入はお勧めしません。なぜなら、TOCFL公式サイトに過去問題が掲載されています。
https://tocfl.jp/educational_materials/
ダウンロードすれば音声も聞けるので、リスニング問題も練習できますよ〜!
また、売られている過去問題教材と内容が一緒なので、買わない方が良いと思います。ちなみに私は知らなくて、購入してしまい、ムダになってしまいました...。
どうしても本で欲しいという方は、こちらをどうぞ!これはBAND B用になりますのでお気をつけくださいね。
実際にTOCFLを受けてみて
私が受けたのは、2019年の3月の試験を大阪会場で受けました!
ビルの一室が会場だったのですが、受験者は約30人くらいでした。やはりHSKのテストと比べたら少なく感じましたね。
ちなみに私のスコアが、聴解80点満点中/47点、読解80点満点中/54点の進階級合格!でした。
リスニングの合格点は46点だったのでギリギリ!取れてよかったと思いますが、もっとリスニング勉強しないと∼って思いました。 読解は、やっぱり比較的点数が取りやすいので、合格点ギリギリは免れましたね♪
Band Bの試験を受験したのですが、リスニングにしても、読解にしても、すごく簡単な問題と難しい問題の差が激しいなあと感じました。模擬試験もそうだったのですが、簡単な問題が多い時もありますし、これは本当にさっきと同じ級の試験問題か?!と驚くほど難しい時もありました。
リスニングに関しては、中間以降から一つの問題文を聞いた後、2~3問の質問に答えるという問題がでてくるのですが、私は長文を覚えたりするのが日本語でも苦手なので、先に質問を見れる時間があったなら見とけば聞きながら解ける問題もあったなあっと思いました。
なので、皆さんは試験をどう受けるか事前戦略を考えるのもいいと思いますよ!
あとは、個人的になんですが、リスニングの勉強を中心に試験勉強することをおすすめします。
繁体字は日本語と同じ漢字が多いので、読解問題などは比較的得点を取りやすいと思います。ですが、リスニングは本当に勉強して慣れていないと聞き取れないので、読解よりリスニングに力を入れることが良いと思いますね!
まとめ
この記事を見て頂きありがとうございました!
TOCFLがどんな試験か少しでも理解してもらえたら嬉しいですね~!あとは中国語に興味を持ってもらえたらもっと嬉しい! 中国語の勉強友達ってなかなかいないんですよね
1月24日にTOCFLの試験をまた約2年ぶりに受けるので、また中国語の勉強を再開しまいた。ブランクがあるので、正直心配ですが、次はスコアをあげる事と高階級を取得できたらいいなあと思いますね♪
もしTOCFLの勉強をしている方は、一緒に勉強頑張りましょうね